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2024年12月16日月曜日

閲覧注意度【低】ホネホネ団通信24号より『 海遊館で骨三昧 ~ 普通の人達から見たホネ 』後編

 ホネホネ団通信バックナンバーの再掲です。

なにわホネホネ団ウェブサイト http://naniwahone.g2.xrea.com/index.html

「ホネホネ団通信」 http://naniwahone.g2.xrea.com/03honetsu.html

ホネホネ団通信24号(PDF記事は23号となっておりますが、正しくは24号です) https://omnh.jp/wada/honehone/honetsu/honetsu24.pdf


前編はこちら https://karfish.blogspot.com/2024/11/24.html



■「ヒレ界一×ホネ界一 楽しい授業 in海遊館」は本当に楽しかった。


アクアマリンふくしまの岩田さん、我らが団長西澤さん、そして海遊館館長の西田さんによる豪華な講義を聞く事ができました。

ただ、企画展部分の記事作成で力を使い果たしてしまったので、授業に関してはざっくりと講義のあらすじのみ(さらに僕の普段口調使い)でおゆるしを。



一限目「シーラカンスのヒレはどうしてあんなにたくさんついているんだろう?」

 アクアマリンふくしま 岩田 雅光 氏


シーラカンスが初めて発見されたのは、1938年南アフリカでのマージョリー・コートネイ・ラティマー学芸員によるもの。

こんな魚見つけたんやけどこれ何?と描かれたスケッチが、特徴バッチリだがどこか斬新な画風。

次は間あいて1997年インドネシアでマーク・アードマン教授によるもの。

市で見つけ写真を撮らせてもらうが、その様子を何だ何だとギャラリーが取り巻く→うざがった売り子のおいちゃんがもう良いか?と立ち去る。→はい、どうも。→(間)いやいやあかんがな!(追いかける)→すでに切り身状態でなんてこったい。

情報募ってみる→おったでー!→おお、これはまさしく!じゃぁ研究機関に送ろうか→教授の奥様:『まって!こんなチャンス二度と無いから!』ということでシーラカンスと一緒に泳ぐ(画像記録有り)。

暖かい地域にいるものの、生息域は水深150~700mと深く、水面付近の水温が30℃ほどに対して生息域では14~18℃とかなり冷たい所にいる魚。

自走式水中カメラを使っての動画を見せてもらう。→生体発見で湧き上がる研究者達の歓声も収録、嬉しそう。→岩田氏はカメラの操作を担当していたのでそれどころじゃなく必死だった模様。

大人シーラカンス格好良い、子供シーラカンスめちゃくちゃ可愛い!(Fig.10)お腹の中で30cm程になってから出てくるとの事(卵胎生?)、そのおちびちゃんがお腹に20数匹!

Fig.10

シーラカンスをCTスキャンで撮ってみたら背骨が無かったよ!脊柱というチューブ状態だったよ!(Fig.11)

Fig.11


頭骨はおでこ部分に関節があって二つに分かれるカクカク。(Fig.12)

Fig.12


ヒレは全部で10枚でヒレには骨があるよ、肉鰭類って呼ぶよ。魚より、僕らの仲間のご先祖様に近いんだよ。

ヒレの動かし方を見てみましょうやってみましょう→会場全員が謎の舞踏集団と化す。(Fig.13)

Fig.13


アカントステラのような足のある魚の進化は、歩くためでは無く水草を掻き分ける為ではないか(岩田説)。


スケッチの話や、奥さんが一緒に泳ぐといったエピソードは、当時の資料や背景に興味を持ってもらう為や話の食い付きには最高だった。



二限目「およぐ、とぶ、はしる! ヒレにはじまるホネのふしぎ 」

NPO法人大阪自然史センター なにわホネホネ団 団長 西澤 真樹子 氏  


小学校高学年位を対象にという事で、骨界一年生向けの授業。

ホネの「お仕事」って?→筋肉をくっつけ体を支える「はしら」だったり、カルシウムなどのミネラルをためておく「銀行」だったり。

脊椎動物とは→体を支えるホネが、体のまん中にあるいきもの。

では体のまん中にないいきものって?→無脊椎動物→ナマコは体の中にちらばってたり、クラゲのように無かったり。

地球上の全ての生き物の中で、体のまん中にホネがある生き物はどれ位いるのかな?→5%位しかいない!→地球レベルならヒレがあるなんて家族、足があるなんて兄弟。

ざっくり解説。(Fig.14)

Fig.14


魚→両生類がうまれ「首」が出来たり「指」が出来たり→爬虫類になるとさらにしっかりとした足になったり→爬虫類の中から恐竜になるもの翼竜になるもの、海に戻って足がヒレにな魚竜→そしてそしてそして。

こんなに変わったほ乳類も…おや、見覚えのある骨格図だなぁ。理科準備室とかにこれの模型あるよね~…って人間だ。(Fig.15)

Fig.15


ヒトの元「ヒレ」って腕だー!いろんなほ乳類の「ヒレ」を見てみよう、お馬さんの蹄あんよとかって元ヒレと思うとすごいよね。

なにわホネホネ団の紹介だよ♪博物館の標本作りのお手伝いをしているよ。事故にあって死亡したり害獣駆除されたり死んで流れ着いたり動物園で亡くなったコ達を標本として残しているよ。後世に受け継がれる標本として博物館の収蔵庫へ!

ヒレの中のホネは、しなやかに動けるように軟骨がいっぱい→このまま肉を腐らせてしまうとバラバラに→(ヒレの為だけじゃないけど)まずはいっぱいあっちもこっちも計測だ→ヒレの片側だけ皮を剥いて骨をこんにちわさせた状態で→透明シートを被せてホネをトレースだ!(Fig.16)

Fig.16


お堅い図解を中和する手足の生えたマッチ棒図解大活躍。

子供にも解りやすく、でも大人も飽きさせず。



三限目「サメ・エイ 進化(しんか)のひみつ ~ほねとひれから~」

大阪 海遊館 館長 西田 清徳 氏


学生時代からサメやエイを専門にやってきました。

背骨はあるけどアゴが無い生き物がいるよ~わかるかな~?(本気で悩む)→正解:ヤツメウナギ!(有ると思ってた!館長、素人が一人釣れましたよ!)

かたいほねの生き物と、やわらかいほねの生き物がいるよ→やわらかいほね→軟骨→はい本命の話題来ました、サメやエイは軟骨魚類といわれてるやわらかいほねばっかりの生き物だよ。

人間は不摂生をすると肝臓いわすけど、サメは肝臓に脂肪や栄養を貯めるんです→(肝油ドロップ食べたい)

サメの口が大きく開くのは…→人間は頭蓋骨(上顎含む)+下顎→サメは頭蓋骨+上顎+下顎→頭蓋骨と舌顎軟骨で繋がっている上顎がにょーんと前に突き出る事によりお口ぱっかり。(Fig.17)

Fig.17


オナガザメの「ニタリ」はとっても尾びれが長い、なんでこんなに長いんだろう?→速く泳ぐため?→動画を観てみましょう→ごはんの小魚を尾びれでペチンッッ→弱った所を頂きま~す♪

釣りをしていると、他のお魚は針が口にかかるけど、ニタリは何故か尾びれに引っかかってる→(尾びれペッチンが理由だったのか)。

尾びれは筋肉ムキムキで、曲がりやすいようにくぼみがあるよ。

エイのヒレは泳ぐため・・・だけではなく、カラスエイはヒレを使って餌を食べやすいようにするんだよ。

軟骨ばかりだから化石残りにくいんだショボーン、あごの所だけが残ってたりね。骨に押されて出来たくぼみが残っている。

ヒレで推進力を得て泳ぐよ、尾びれをふりふりしたり、むなびれ波うたせたり、むなびれを羽ばたかせたり。

(Fig.18・Fig.19)

Fig.18
Fig.19


博物館の山西館長に雰囲気が似てる気がする。



四限目「なぜ、私たちはヒレとホネにはまったのか。」


西田:まずはお二人にきっかけを。

岩田:僕がシーラカンスを選んだんじゃなくて、シーラカンスが僕に調べろと言ってきた。

西澤:動物が好きだった、動物とついた本も片っ端から読んでた、でもそれはバーチャル。大学で動物の死体・実物に触れる機会を得、その圧倒的な情報量にやられた。

(あれ?ネタ振った館長はハマった訳の話をしてくれないの?聴きたかったな~。)


館長:先ほどシーラカンスのヒレの動きを(略)マンボウのヒレの動きが(略)

岩田:まさしく同じですね。


西田:子供達が思ってると思うが、どうやったら水族館や博物館の仕事につけるのか?

石田:実際難しいです。働いている人の数が限られているのでタイミングの問題も。僕は昔から魚が好きで小さい頃から「水族館に勤めるから!」と言ってたらそうなれたので、ずっと思っていればそれは力になるんじゃないかという気がします。

西澤:博物館は水族館よりももっと人が少なく難しい。私も直接されたわけじゃない。とにかくウロウロチョロチョロあれやりたいこれやりたいと言っていると仕事がもらえる。


西田:博物館を百倍楽しむ方法がありましたら是非。

西澤:私は手を通して描くと覚える派。写真を撮る人もいる。自分なりの記録の残し方を身に着けていくとあとから思い出せる。

岩田:僕はいつも生きているものを見ているので、博物館にいって生き物の仕組みを知るのが好き。それが飼育に生かされたりも。

西田:お客様が参加する形のイベントでは、お客様と直接話をする事でどんな事を喜んでくれているかどんな事に興味をもたれているかがわかる。我々がこう思っているというだけではなく、皆様がこんな事をして欲しい等あればご意見をいただければと。

シーラカンスを飼育展示とかってあるんでしょうか?

岩田:まだ成功している所は無い。生きたままの状態を手に入れるのが難しい。

シーラカンスの三種類目の可能性は?

岩田:シーラカンスはすっごい昔からいるので、昔と今で大陸が動いているのを考えて、居るとしたらカリブ海にいるんじゃないかという人がいる。

ホオジロザメって飼育できないんですか?

西田:飼育された例は何回かある。短期間だが沖縄のちゅら海水族館でも。アメリカのモンテレー水族館では小型の1mほどのを三回、1年から2年ほど飼育。あまり大きくなると水槽のお魚をみんな食べちゃうし掃除のダイバーさんが襲われたらこまるので、自然の海までしっかりもっていって帰す。

ジンベイザメの大人で小さかったらどれくらいですか?

西田:オスとメスがいて、子供が産まれてくる年齢を大人とすると、メスは10m近くにならないと大人といえない、オスはおそらく7~8m。大人になって繁殖が出来る年齢になってからも成長していき、一番大きい記録で13m。

壇上で手を上げていた団長、最後まで気付かれず(笑)

希望の話ではなく何故か質疑応答になってるのは気のせいという事にしよう。


西田:これからこんな事をしていきたい夢とかがあればお話ください。

岩田:シーラカンスはそこらじゅうに居ると思うので沢山みつけたい。シーラカンスが特別な魚ではなく「またシーラカンス?」ぐらいになればいいなと思って続けています。

西澤:大きすぎるからとかで標本にならずにそのまま破棄されてしまっているものもどうしてもある。そういった小さな遺産をお金をかけてでもきちんと標本として残していっていいんだという認識の社会になるようにみなさんと(チラッ)していきたいなと思っています。

(Fig.20)

Fig.20 手を上げるも最後まで気づかれない団長。


以上、段々と雑な文章になってしまい申し訳ない。

この日はとても充実した体験ができました。

バックヤードツアー招待に尽力くださり、素敵な講演を教えてくれた団長・副団長に感謝です。


最後に、話は思いっきり変わりますが、海遊館のふれあい水槽にいたエイのお肌はババロアのようにふわもにょしてて気持ちよかったです♪(なんという本文と無関係な〆言葉)





ホネホネ団通信再掲ネタはこれにて終了。

旧ブログからの記事引っ越しも放置続きで終わってないなぁ(遠い目)。

でも別の事書きたいな~、やる気湧いてくんねぇかな~。


2024年11月26日火曜日

閲覧注意度【低】ホネホネ団通信24号より『 海遊館で骨三昧 ~ 普通の人達から見たホネ 』前編

ホネホネ団通信バックナンバーを再掲するにあたり、ホネ団団員である事をドヤってるみたいでアレかなぁとちょっと気にしていたが、誰もこんなブログ見てないので気にする必要なぞ微塵も無かった事が分かりほっとしつつもあまりの過疎ブログっぷりにお空綺麗モードに入りかけてしまいました。 自分用記録として大事なので続きアップですます。

なにわホネホネ団ウェブサイト http://naniwahone.g2.xrea.com/index.html

「ホネホネ団通信」 http://naniwahone.g2.xrea.com/03honetsu.html

ホネホネ団通信24号(PDF記事は23号となっておりますが、正しくは24号です) https://omnh.jp/wada/honehone/honetsu/honetsu24.pdf


ホネホネ団通信24号より

『 海遊館で骨三昧 ~ 普通の人達から見たホネ 』

・冷蔵庫の主・


 さる平成26年7月18日~10月13日の間、大阪は天保山にある「海遊館」で、企画展示「ヒレのヒミツ~スイマーたちの華麗な物語」および「ホネのヒミツ ~なにわホネホネ団がやってきた!~」が行われました。

企画展にあたり、大阪市立自然史博物館・認定NPO法人大阪自然史センター・そして、なにわホネホネ団が団として、また団員個人の作品・所蔵品を展示協力いたしました。

この展示協力のお礼を兼ねてという事で、海遊館さんが太っ腹にもバックヤードツアーに招待してくださいました。

また同日、企画展開催記念講演会という事で「ヒレ界一(イチ)×ホネ界一(イチ) 楽しい授業 in海遊館」が開催され、我らが団長も講演者として壇上に上がり、皆で楽しい授業を受けてまいりました。

では、それらの報告や感想を書かせていただきます。

(Fig.01 海遊館外観 マッコちゃんホネバージョンと記念撮影)


・・・・・

■ワクワクバックヤードツアー


靴裏を消毒して進んだ先は、華やかな水族館を支える裏方さんスペース。


・餌の調理室は、魚匂くはあったけど決して嫌な生臭さではなかったのが印象的。やはり鮮度が良く、不要な部位等の処理もきちんとされているからこそなのだろう。

 餌を金属探知機に通して、釣り針等が残っていないかのチェックもされているとの事。

・廊下に吊るされているダイバーさんのスーツは二種類あった。

 よく着ているのを見かける、びしょ濡れになる「ウェットスーツ」と、各首部がぴっちり閉じて体に直接水が触れないようにな仕組みの「ドライスーツ」。

 ペンギン達のいる低い気温水温設定されている北極圏水槽は、この「ドライスーツ」で潜らないと、とてもとても寒い思いをする事になるんだそうだ。

 浸水不備等のあるドライスーツにスタッフの手書きメモが貼られ修繕待ちのラックに並んでいるのを見て、客用に取り繕ってない生の裏方現場なんだというのを実感。

・海遊館といえば巨大水槽にジンベエザメ。

 そのジンベエザメがいる太平洋水槽は、上から見ると十字の形をしていてびっくり。

 とても深さがあるのに、底までくっきり綺麗に見えるなんて、海水のメンテナンスは一体どれほどなんだろう?

 なるほど、この形で縦横の距離はとりつつ水量を減らして~なのかどうかは個人的な予想です。

 この太平洋水槽を上からみつつ、ジンベエザメの遊(ゆう)ちゃんの餌やりを見れる予定だったのですが、游ちゃんの体調や餌の状態等の関係で今回は見れず。

・体調メンテナンス中の生体や、奥さんが子育て中で気が立ってる為別居隔離中のイルカ旦那さん、その他沢山のスタンバイ状態の生体達が入る生簀やタンクを抜け…

・水族館の心臓部でもあるろ過装置がある部屋へ到着。

 近くの海から海水を汲み上げて使用しているのかと思いきや、近海は河川の関係で汽水で飼育には使えないので、タンカー船で月に十数回と沖に海水を汲みに行ってるとの事。

・その大切な海水を大事に使うための巨大ろ過装置がドドンとそびええ立つこの部屋は、なんとなんと、先ほどまで游ちゃん達が泳いでいたのを上から見ていたあの水槽の真下に位置すると言われ思わず目が点。

 ろ過装置の凄さもすごいが、建築技術を称えずにはいられない。

・そして水槽の海水循環方式が、下から入れて上から排水するオーバーフロー方式だった事にもびっくり。

 熱帯魚飼育等としていると「あこがれのオーバーフロー水槽」なる言葉が出てくる事があるのだけれど、効果はすごいが設備投資等が大変なのである。

・ろ過していても少し汚れていってしまうが、そうした海水は海獣飼育用に充てられるのだそうだ。

・海獣飼育に使用して更に汚れた海水はそのままポイ…では無く、ろ過処理した後に下水道に流されるのだそうだ。

・実はろ過部屋で説明してくれてる声やパネルが後ろからではよく分からなかったのでこの程度しか書けないのですが、スタッフのお兄さんはもっと一杯細かく説明してくれておりました。

 誰かが補足記事を書いてくれるか、聞いたら説明してくれるかしてくれるであろうから後は任せた(逃げ)。

 僕は説明が聞こえて無い間何をしていたかと言うと、ろ過タンクに貼られてた図面や立派なナットにワクワクドキドキしてました。

 図面は良いモノです(元アイソメイラスト屋の習性)。

(撮影禁止だったので画像報告は無しです。)


・・・・・


■企画展示「ヒレのヒミツ~スイマーたちの華麗な物語」「ホネのヒミツ ~なにわホネホネ団がやってきた!~」


バックアードツアーの前に、『朝のお客様が少ない内にゆっくりご覧ください』と企画展示の部屋へ案内してくださいました。

また、講演会の後の時間を使って、来場者の増えた展示室で、【水族館に来たらなんかやってたのでついでに覗いてみた普通のお客様の声】に耳をそばだててみました。

(Fig.02 おしゃれでおもわず気になる企画展入り口)


「ヒレから四肢へ」

”肉鰭類(にくきるい)は、ヒレの中に骨が発達し、そこに筋肉が付くことで柄のついたヒレ(これを肉鰭と呼ぶ。)を持つ魚類。現在生き残っている肉鰭類は肺魚の仲間とシーラカンスのみだ。”(展示パネルより引用)

という事でシーラカンスの模型やニタリ(オナガザメ)の長ーーい尾ひれの標本などなど、「ヒレ」部門も沢山の目玉展示品がありましたが、申し訳ない、今回は「なにわホネホネ団」の展示についてのみ書きます。


☆大きいホネはレプリカだと思われている。

 アカウミガメやハセイルカの骨格標本を見て『どうせレプリカやろ~』と話している人が多かった。

 博物館展示等での恐竜の骨などがレプリカが多いイメージからそう思っているのだろう。

 骨神様を回収に行った時の話などが書かれているパネルを見ても、目の前のコレがまさか本物だと思ってもらえていないようで残念。

 なぜかオウサマペンギンではそういった声が出ず。これは海遊館に生きているペンギンがいるからかもしれない。

 ラベルに「本物」や「実物」と書いておいたほうが良いのかも。

 ちなみに「ナガスケ」の事もレプリカと勘違いしている声を聞いた事が何度かある。


(Fig.03 ハセイルカ全身骨格展示品)


☆分離標本は「標本」と思われていない。

 『これから組み立てるんやろ?』とか『なんでバラバラなん?』という声がちらほら。

 組み上げて格好良く整えられて展示されてるモノだけが骨格標本と思われているようですね。

 保管スペースの問題や、1パーツ毎の観察の為に、多くの標本がこういった状態で保管されている事をもっと知ってもらいたい。

(Fig.04 アライグマ分離標本 こんなにも整頓されラベリングされていても標本と認識されていないなんてさみしい限りだ)


☆仮剥製というモノが何かわからない。

 大はハシボソガラス・小はスズメと並ぶ鳥の仮剥製の展示ケースを見て、死骸をそのまま展示している勘違いしている人が多い…というか殆どがそのような反応でした。

 分離標本が作業途中の状態と思われている事が、剥製に関しても同様のようです。

 処理済みアピールの為に、お腹を閉じずに綿を見せてる状態の仮剥製を例として並べるなどはどうだろうか?

(Fig.05 血なまぐささを感じさせない美しく良い展示物だと思うのだが)


☆カエルには骨がある!

 まさかの反応でしたが、カエルに骨があるとびっくりしていたお客様もチラホラいらっしゃいました。

 たしか骨は無いしブニブニニュルニュルした体だけどパワフルな「タコ」といった例もあるので、骨無しと思っている人は少なからず居るのでしょうね。

 それにしても、大人もそれなりに良い反応でしたが、なによりお子様の食い付きっぷりのすばらしい事!

 他の展示は適当に見ていたのにカエルに気が付くとDSや親御さんのスマホを握り締めて写真を撮り始める姿を見ると、思わずガッツポーズが出てしまいます♪


☆ネズミは「キャーッ」だけど「ヘェ~」。

 見た事のあるペット系で小型種、いくつかは毛皮付きで「あの生き物の骨がコレ」であると想像しやすいなど少しずつの要因が重なり、一度は目を背けてももう一回チラリ、またチラリと見ていかれるパターンが多かった。

 タヌキ等の中型種と違って、小さいがゆえのオモチャ感覚というと語弊があるが、あまり生々しさを感じさせず見やすいといった感覚があるのかもしれません。


☆凄さが分かってもらえないお魚軍団。

 食卓に上がる事がある生き物の骨という事で、さすがにコレを見てキャーキャー言う人は居なかった。

 欲を言えば、とても技術のいる標本だと知って欲しい気持ちがあった。


(Fig.06 小型精鋭部隊が並ぶショーケース)

(Fig.07 まさか我が家の娘達が海遊館デビューする事になろうとは夢にも思っていなかった)


☆見慣れていれば怖くない。

 ニホンジカの頭骨は『あーコレ見た事あるー』という声をはじめ、オブジェ等に使われていて目にする事が多いせいか、怖がる反応はほぼ無かった。

 あの格好良い角にも惹かれるのだろう。

 他の標本もそれ位怖がらずに見てくれればと思うが、逆を言えば、骨格標本がもっとメジャーになって目にする事が多くなれば、「コワイ」から「カッコイイ」になれる可能性特大という事だ。


☆カップルの男性陣は気を付けよう。

 ブタの豚足骨格標本は人気があった。

 「ブタ」という生き物、そして「豚足」という食材・単語として馴染みがある故の強みであろう。

 ただ、【ブタ】の【足】→【太い脚】という連想イメージが付くようで、『豚足やったらお前にもあるやん』と口に出してしまったペアを一組、『豚足…』と呟いて目線を下に落とすも言葉を飲み込んだペアを二組確認しております。

 口に出してしまったペアの彼氏が、小さいスイングと声量ながらも確実に恨みの魂が込められたチョップを喰らっておりました事をここに記します。

(Fig.08 標本としての認識が無いかわりに知名度の高さと受け入れやすさを手に入れたホネ達)


☆作業道具陳列。

 実際に作業に使う白衣に始まりメスから手袋からずらりと展示していたのに、何故か欠片も血なまぐささを連想させなくって良い反応だった。

 何が怖さを中和していたのだろう?茶漉しかな?(笑)

(Fig.09 解剖道具というよりDIYコーナーな雰囲気)


☆大人と子供の目線の高さ。

 下段の展示物に気が付いてない方が多かったかもしれない。



・・・・・




後編の講演会部分は後日アップします。