Google+

2015年10月24日土曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 4/4

ラスト枠いっくで~。




前回までで、皮剥いで肉削いで溶かして肉削いで漂白して肉削いで、形整えて終了までいきましたね。





それを持ち帰って、一週間経過したのがこちらです。
上の画像と比べて白く見えるのは、撮影環境や設定のせいも少々ありますが、ほとんどは水分が乾燥した事によるものです。







ではここで、乾燥した後だからこそわかりやすくなった掃除漏れポイントやらを一部見てみやしょう。


水色矢印部分、上クチバシの中が黄色く透けてますね。
ここは中に神経やらが詰まっているのですが、これを取り除くには緑矢印の辺りにある小さい穴からほじくり出す必要があります。
脳みそを取り出す時に使った「脳ブラシ(一般名称:歯間ブラシ)」の細いもので掻き出すなりしてやらないといかんのですが、この時は「なんか怪しい穴あるな~、ひょっとしたら中なんかあるのかな~?」位しか思って無かったのと、細い所を攻めれる道具が無かった事もあり放置していたらこうなりました。
まぁ素人がこんなトコほじくったら小穴が大穴になりそうだし、そもそもその小穴が見えるほど除肉しきれてた人も少なそうだったので、あえて説明はしなかったのだと思われます。




目の孔のとこにある2/4の方でも気を付けろと言っていた「涙骨」がコレですね。
薄い花びら型の骨にぴょろっと根が生えてるような格好。
気を付けないとこの根っこ部分を切り落としてしまったり、除肉の際骨までつまんで頭骨から外れてしまったり(涙骨は頭骨のメイン部分と一体化では無く、フチにひっそりささやかに別パーツとしてくっついてるので、外れやすいです)なかなか危なっかしいパーツです。
なにげに僕のコレも、反対側の涙骨は半分外れかけてますw






取っても取ってもどこまでのなんか組織があるんだけど、どこまで取っていいのかわかんないし、これ位でいいかと思ったけど乾燥した後みたらやっぱ残りすぎたか~な部分が、このアゴの付け根部分。
ものすごく・・・脂ギッシュです。


ここを掃除しすぎると上下クチバシパーツが分離してしまうのですが、別に一体化してなくても良いし、むしろ骨の観察の為にも上下バラバラのほうが良いんじゃないかという方は、この部分を徹底的にほじほじしてやってください。

乾燥させた後でも、こういった見えてる部分で気になる所は、そこだけ濡らしたティッシュで包んで組織をふやかしてから毟り取る事も可能です。
全体を水に浸けてふやかし、再度全体の除肉というのも可能ですが、何度もやるといろんな結合部分がゆるくなったりとかもあるので、ほどほどに。

僕は、あくまで現地で用意された道具と時間だけでどこまでのモノが作れるのかというのも大事だったので、この脂ギッシュもそのまま置いておくことにします。







さて、乾燥も終わった事やし、最後に綺麗にケースに入れて飾れるようにしましょうかねっと。
とりあえず手持ちの空き容器をごそごご・・・
う~・・・、高さが足りない容器と、底が二段になって今回のブツでは収まりが悪いタイプしか無かった。
え~、でもなんかわざわざ買いに行く気が起きないなぁ。






という事で、こうなりました。


惣菜やサラダなんかを買う時に入ってる容器っすね。
まぁわが家はむいむい飼育用に、このカップをまとめ買いしてたんで都合良かったというのもあるが、なんかこういう再利用しました的な感じが小学生の夏休みの自由研究みたいな雰囲気で良いんじゃないかな?と思ったのも事実。





容器を上下逆さまに使っているのは、ガワを外した時に全体が素で見れるから。
大きい容器内側に小さい容器を固定し、その中に舌骨を置いてみました。
本来の位置に合わせて頭骨に止めても良かったのでしょうが、折角の面白い構造なので、あえて離して置いて、舌骨も良く見れるようにと狙ってみました。





標本というのは、それが何時何処で誰が何のといった情報がかなり重要です。
これらの情報が無いと、他の標本と「正しく比べる」事が出来ないからです。
こんなワークショップなり実習で作ったとかのものであっても、分かってる分の情報だけでも添えて置くと、少なくとも見た目のそれなり度は上がりますw






あ、ちなみに今回はテグスのような糸でくくりつけて固定しています。
激しく振ったりすると流石に耐えられないかもしれんけど、あちこち見たいからと上下をひっくり返される程度ならどないかなる・・・はず。






実はというか、ちょっと前にも脱脂ネタの記事で出てきてるので見た人はおるでしょうが、過去に鶏頭骨格標本を作ってみようと挑戦した事があります。
鶏肉屋さんにお願いして鶏頭を仕入れてもらい、ネットで見た情報を頼りにやってみたのですが、パイプ洗浄剤では木っ端みじんになり、茹でたら木っ端みじんになり、水だけでは除肉や脱脂が中々進まず、結局ひと月ほど試行錯誤しながら作ったのが上の標本です。
どこまでが取り除いてよい組織かどうかもわからなかったので、鼻や耳に思いっきりなにか残ってます・・・。
どうしてもネット検索で出てくる情報には限度があり、また、素人に対して手慣れた人の端折った説明では色々と足りなさ過ぎるんですよねぇ。
今回参加してやっとまともなのを作れて心底ほっとした(*´ω`*)


上がおそらくブロイラーの若鳥、そして下が今回作った名古屋コーチン。
こうやって並べてじっくり見比べると、全体的な大きさだけでなくいろんな部位のパーツに少しだけど違いが~・・・・ってああなんか角度の違いや取り残し組織のせいでわかんないですよねごめんなさい。







さてはて、今回の体験報告、果たして皆さんの参考になったでしょうか?

全然わからんが、実習が面白そうだなとか自分でも作ってみたいが自信が無いという方は、地元の博物館等での実習やワークショップの情報が無いかチェックしてみてください。
鶏頭骨格標本を作れる実習は少ないかもしれないけど、手羽先骨格標本だとたまにあるかも。
7月終盤からの夏休み時期は、自由研究用にと開催してる事が多いようですが、時期的に子供優先なので、子供達はがんばれ!大人達は心を強く持とうね(´Д`)





今度は手羽先骨格標本実習に参加してみたいなぁ(手羽先も過去に木っ端みじんにした悲しい経験あり)。





今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

0 件のコメント: