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2015年10月24日土曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 4/4

ラスト枠いっくで~。




前回までで、皮剥いで肉削いで溶かして肉削いで漂白して肉削いで、形整えて終了までいきましたね。





それを持ち帰って、一週間経過したのがこちらです。
上の画像と比べて白く見えるのは、撮影環境や設定のせいも少々ありますが、ほとんどは水分が乾燥した事によるものです。







ではここで、乾燥した後だからこそわかりやすくなった掃除漏れポイントやらを一部見てみやしょう。


水色矢印部分、上クチバシの中が黄色く透けてますね。
ここは中に神経やらが詰まっているのですが、これを取り除くには緑矢印の辺りにある小さい穴からほじくり出す必要があります。
脳みそを取り出す時に使った「脳ブラシ(一般名称:歯間ブラシ)」の細いもので掻き出すなりしてやらないといかんのですが、この時は「なんか怪しい穴あるな~、ひょっとしたら中なんかあるのかな~?」位しか思って無かったのと、細い所を攻めれる道具が無かった事もあり放置していたらこうなりました。
まぁ素人がこんなトコほじくったら小穴が大穴になりそうだし、そもそもその小穴が見えるほど除肉しきれてた人も少なそうだったので、あえて説明はしなかったのだと思われます。




目の孔のとこにある2/4の方でも気を付けろと言っていた「涙骨」がコレですね。
薄い花びら型の骨にぴょろっと根が生えてるような格好。
気を付けないとこの根っこ部分を切り落としてしまったり、除肉の際骨までつまんで頭骨から外れてしまったり(涙骨は頭骨のメイン部分と一体化では無く、フチにひっそりささやかに別パーツとしてくっついてるので、外れやすいです)なかなか危なっかしいパーツです。
なにげに僕のコレも、反対側の涙骨は半分外れかけてますw






取っても取ってもどこまでのなんか組織があるんだけど、どこまで取っていいのかわかんないし、これ位でいいかと思ったけど乾燥した後みたらやっぱ残りすぎたか~な部分が、このアゴの付け根部分。
ものすごく・・・脂ギッシュです。


ここを掃除しすぎると上下クチバシパーツが分離してしまうのですが、別に一体化してなくても良いし、むしろ骨の観察の為にも上下バラバラのほうが良いんじゃないかという方は、この部分を徹底的にほじほじしてやってください。

乾燥させた後でも、こういった見えてる部分で気になる所は、そこだけ濡らしたティッシュで包んで組織をふやかしてから毟り取る事も可能です。
全体を水に浸けてふやかし、再度全体の除肉というのも可能ですが、何度もやるといろんな結合部分がゆるくなったりとかもあるので、ほどほどに。

僕は、あくまで現地で用意された道具と時間だけでどこまでのモノが作れるのかというのも大事だったので、この脂ギッシュもそのまま置いておくことにします。







さて、乾燥も終わった事やし、最後に綺麗にケースに入れて飾れるようにしましょうかねっと。
とりあえず手持ちの空き容器をごそごご・・・
う~・・・、高さが足りない容器と、底が二段になって今回のブツでは収まりが悪いタイプしか無かった。
え~、でもなんかわざわざ買いに行く気が起きないなぁ。






という事で、こうなりました。


惣菜やサラダなんかを買う時に入ってる容器っすね。
まぁわが家はむいむい飼育用に、このカップをまとめ買いしてたんで都合良かったというのもあるが、なんかこういう再利用しました的な感じが小学生の夏休みの自由研究みたいな雰囲気で良いんじゃないかな?と思ったのも事実。





容器を上下逆さまに使っているのは、ガワを外した時に全体が素で見れるから。
大きい容器内側に小さい容器を固定し、その中に舌骨を置いてみました。
本来の位置に合わせて頭骨に止めても良かったのでしょうが、折角の面白い構造なので、あえて離して置いて、舌骨も良く見れるようにと狙ってみました。





標本というのは、それが何時何処で誰が何のといった情報がかなり重要です。
これらの情報が無いと、他の標本と「正しく比べる」事が出来ないからです。
こんなワークショップなり実習で作ったとかのものであっても、分かってる分の情報だけでも添えて置くと、少なくとも見た目のそれなり度は上がりますw






あ、ちなみに今回はテグスのような糸でくくりつけて固定しています。
激しく振ったりすると流石に耐えられないかもしれんけど、あちこち見たいからと上下をひっくり返される程度ならどないかなる・・・はず。






実はというか、ちょっと前にも脱脂ネタの記事で出てきてるので見た人はおるでしょうが、過去に鶏頭骨格標本を作ってみようと挑戦した事があります。
鶏肉屋さんにお願いして鶏頭を仕入れてもらい、ネットで見た情報を頼りにやってみたのですが、パイプ洗浄剤では木っ端みじんになり、茹でたら木っ端みじんになり、水だけでは除肉や脱脂が中々進まず、結局ひと月ほど試行錯誤しながら作ったのが上の標本です。
どこまでが取り除いてよい組織かどうかもわからなかったので、鼻や耳に思いっきりなにか残ってます・・・。
どうしてもネット検索で出てくる情報には限度があり、また、素人に対して手慣れた人の端折った説明では色々と足りなさ過ぎるんですよねぇ。
今回参加してやっとまともなのを作れて心底ほっとした(*´ω`*)


上がおそらくブロイラーの若鳥、そして下が今回作った名古屋コーチン。
こうやって並べてじっくり見比べると、全体的な大きさだけでなくいろんな部位のパーツに少しだけど違いが~・・・・ってああなんか角度の違いや取り残し組織のせいでわかんないですよねごめんなさい。







さてはて、今回の体験報告、果たして皆さんの参考になったでしょうか?

全然わからんが、実習が面白そうだなとか自分でも作ってみたいが自信が無いという方は、地元の博物館等での実習やワークショップの情報が無いかチェックしてみてください。
鶏頭骨格標本を作れる実習は少ないかもしれないけど、手羽先骨格標本だとたまにあるかも。
7月終盤からの夏休み時期は、自由研究用にと開催してる事が多いようですが、時期的に子供優先なので、子供達はがんばれ!大人達は心を強く持とうね(´Д`)





今度は手羽先骨格標本実習に参加してみたいなぁ(手羽先も過去に木っ端みじんにした悲しい経験あり)。





今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

2015年10月21日水曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 3/4


つづきにゅりん。



過酸化水素水で骨の漂白をしている待ち時間に、ぷちバックヤードツアーに出発。



人混みの向こうの扉の向こうは、冷蔵室、そのまた奥の扉の向こうが冷凍室になっており、標本等の駆虫の為やら、もふもふやらつるつるやらが処理待ちスタンバイしています。
冷凍室の温度は、僕らの年代で表現するところの「バナナで釘が打てる」マイナス40度。
ちょっとだけ冷蔵冷凍室に入らせていただきました♪
寒いしくちゃいw
本来冷凍室は匂い物質ごと凍ってるので無臭のはずなんだが、冷蔵室に置いてる物の中に、とても自己主張の激しい何かがいた模様。





一見コンテナボックスが積んであるだけの一角だけど、コンテナの中身は処理中の骨とか骨とか骨。
いやんな表現をすると、水に浸けて腐らせ中。
真面目な表現をすると、水に浸けてバクテリアに骨に付着してる組織や骨の内部の脂分を分解してもらっている所。
特に大きいものや頑固な付着のあるものは、曝気装置付の槽に入れられて、好気性バクテリアちゃんにぶくぶく酸素たっぷり供給ドーピングして、気合いで分解してもらう。
僕らが鶏頭でやってるような薬品は使用していないので、何か月単位で置いていても骨には影響が無く、じっくり浸けて時間のある時に取り出して~が可能。






こんどは「砂場」。
遊ぶための砂場ではなく、埋めたり並べたりして、不要な組織を虫に食べてもらったりバクテリアに分解してもらうための場所。
どどんと置かれているのは、大阪府岬町の海岸に平成27年9月12日に死体が漂着したザトウクジラの骨です。
真ん中のでっかいのが頭(上あご)、その左に見える薄べったそうな骨が肩甲骨、上あごの先にある短い円柱のようなのが頸椎、その右の細長いのが肋骨・・・だったはず。


クジラの骨というのは、あらかた除肉してからこのように置いておくと、ものの数日で白いいかにも骨な姿になってくれるそうです。
とはいえ、複雑な形状の所の組織はなかなか取れないし、それらの分解や骨の内部の脂やらがしっかり落ち切るまでには少なくとも数か月数年かかるそうな。




違うアングルから見ると、砂場の大きさがわかるかな?
上の写真では小さく見えた骨だが、奥の人間と比較すると、頭や肋骨だけでも人間の子供位の大きさがあったりする。


他の画像でもちらほらなにかにょろっちいものが写りこんでたりしてますが、これはツイッターの@LandPlanariaBotアカウントで実況する時などに、「僕が撮った画像で僕が発信している」事などを表したりするのに使っているアカウントのコウガイビルマスコットです。
他にもイベントに合わせていくつかの生き物のマスコットがいるのですが、上画像にいるのはホネホネサミットに合わせて作ったナガスクジラのナガスケ(上の青っぽい方)マッコウクジラのマッコ(下のピンクっぽい方)です。
「本物」のナガスケとマッコも、この砂場で長いお昼寝の後、収蔵され、現在は博物館のポーチにて常設展示されています。
このザトウクジラも組み上げられて展示されるというフライング記事がありましたが、現在組み上げの予定はありません(通常、骨格標本は、細部観察の為と容量の軽減の為に、バラした状態のまま保管されます)
それに、組み立てと吊り下げにはええ車が買えちゃうほどの費用が掛かってですね・・・・。

このザトウクジラに関しては、ツイッター上でのつぶやき等をまとめてくださってる方がいるので、経緯等はこれ↓を読んでみてね。

なにわホネホネ団のクジラ解体日和 http://togetter.com/li/874746




その他にも道中置かれてるあれこれの説明を聞いたりして満喫した後、作業してた部屋へ戻ると、漂白脱脂処理され流水ですすがれた頭骨と再度ご対面です。


ここから何をするかというと・・・・・

また、時間の許す限り肉取りです!
薬品で溶かし漂白もしたのでかなり残っているのは少ない・・・と思いきや、意外と後から後からでてきます。
とはいえ、最後に少し残った程度なら、乾燥してそれらが縮んだ時にかなり分からない程度にはなりますので安心してね。

あと、画像が無いので端折ってた眼球の強膜輪処理の所の資料ぺったん。


強膜輪は一枚板のドーナツではなく、魚のうろこをドーナツ状に並べたような構造をしています。
あまり手荒く扱うとバラバラになります(頭骨をパイプ洗浄剤に浸ける時にこれを入れなかったのは、強膜輪に対して薬が強すぎてバラバラになるからなんです)。



そうそう、僕は子供が大の苦手でしてね。
今回は大人向けかつ大人優先なので子供が居なくて安心のはずだったのですが、珍しく定員割れしたので子供の参加もアリになっていたのですよ。
ぶっちゃけ周りで騒ぎまくられると吐きそうになるんですが、なんせ今回のはモノが細かい&ひたすら肉取りしまくりなので、作業が始まったら速攻みんな静かになりました!
あれです、蟹鍋でみんなが黙々と肉ほじってて会話も無いあの状態です!
これなら子供が苦手でもかなりイケる( ゚Д゚)b
ただし、手羽先骨標本なら余裕ができる分騒がしくなると思われます。
以上、僕と同じ子供が苦手な人への参考までに。




さて、時間一杯お肉ほじほじしたら、乾燥させて完成・・・ですが、濡れて関節やらが柔らかい内に、くちばしの開き具合や舌骨の開き具合などを整えるために、ピン等で固定してやりましょう。


これにてほぼ完成です。
翌日には水分が飛んだ分さらに白く仕上がり、残った組織も縮み、かなり見栄えが良くなります。
ただ、一見乾燥したように見えても芯のほうは湿ったままだったりするので、少なくとも3日は風通しのよい所で乾燥させた方が良いです。
乾燥しきる前にピンを外してしまうと、開いてたはずのくちばしが閉じていったり、舌骨があられもない向きに歪んだりします。




最後に、一番最初の皮むき肉取りの段階で回収した皮と肉を使ったスープをいただきました。
これは希望者のみ参加。
ええ出汁出てました。





おかたしの合間に、お手伝いスタッフとして来てらしたなにわホネホネ団の方が作ったコケコッコさんを拝見。





なんと、剥けますw


中の骨格模型は、最初の説明で出てた巨大鶏頭骨格模型を作ったのと同じお兄さんで、それに合わせた編みぐるみを作ったのが別のお姉さん。
なんなんでしょうね、なにわホネホネ団って器用な一芸持ちしか入れないんじゃないかと疑う多才っぷり。





これで終わると思ったか!?



もう一回続くんじゃよ。





今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

2015年10月14日水曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 2/4

つづき




前記事の最後でお鍋に入ってた鶏頭君です。
加熱された事によりお肉が骨から外れやすくなっているので、ピンセットでひたすらほじほじぐりぐりお肉を毟り取ります。





こんな





感じ。


上あごとか外側も内側もなんか細っこい骨ばっかりですね。




ほじほじ前に注意しておいたほうが良いパーツや、しっかり取っておいた方が良い部位などの説明。





青破線、眼球が入っていた大穴の上側を覆うように軟骨というか筋というかな組織がたっぷり覆っているので、取りましょう。
ただし、一見青破線の部位の続きに見える赤破線の所には、涙骨という、花びらというか種から根が出始めたばかりのような形の骨が入っており、しかもかなり外れやすいパーツなので、赤破線の辺りはこの段階ではあまり触らないようにしたほうが安全です。


緑破線の鼻の孔の組織は、骨と組織の境目にピンセットを差し入れて、ん~と、家庭でプリンやケーキのスポンジを焼いて型から外す時につまようじで境目に隙間を作るときのあの感じでほじほじしていくととれやすいです。
紫破線の耳穴のふちも同じような感じで隙間をほじほじしていくと取れやすいですが、こちらのほうが軟骨組織ががっつりしてるからと力を入れてほじっていると、奥の骨を壊してしまうので、少しずつ様子を見ながらほじほじしましょう。

内っかわとか裏っかわは写真を撮ってなかったので説明無し( ゚Д゚)
まぁあったとしても、とにかくややっこしいので気を付けながら少しづつ毟り取れとしか言えない場所でもあるんだなこれが。




さて、ほじってもほじってもほじほじ毟り毟りしても、なかなかお肉は取り切れません。
という事で、ここでパイプ洗浄剤の出番です!
パイプ洗浄剤といえば、風呂場や洗面台のつまり取に使うアレですね。
パイプ洗浄剤に含まれている詰まりの原因物質を溶かす水酸化ナトリウムの力を借りて、鶏頭に残っているお肉を溶かそうという算段です。
そのままの濃度で使用すると、骨と骨とをつなぐ組織まで溶けたり骨が痛んだりしてしまうので、水で3~4倍に薄めて使用します。


ネットにほじほじした頭骨と舌骨、それと、自分の分とわかるように番号札を入れてポン。
眼球前面部にも骨があるのでソレも~となるでしょうが、眼球にある強膜輪はかなりもろい作りになっており、薬剤で処理するとそれこそ木っ端微塵になるので、ここでは投入いたしませぬの。

あと、ご家庭で作業する場合、メーカーによって濃度の違いで希釈度が云々と気になるかと思いますが、よほど特濃だのなんだの歌ってたり業務用などで無い限り水酸化ナトリウム濃度はどこも0.5~1%程度なので、だいたい3~4倍なノリで問題ないです。





というわけで、パイプ洗浄剤水溶液に浸けてる間に、お昼休憩でございます。





休憩が終わる頃には、薬剤から上げて水洗いされた骨が待ってました。
だいぶはっきりと骨らしくなってきましたが、まだまだ何か一杯半透明な物体(パイプ洗浄剤で処理した際に透明化した肉組織の残り)が付いていますね。
というわけで、またそいつをほじほじしましょう!しまくりましょう!
最初の頃と違って、残り組織が半透明化した分、どれをほじほじ掃除すればいいかわかりやすいですね。


ちなみに、素手で作業しとったのになんで今更手袋を?な理由は、流しきれてなかったり、肉組織に染み込んでる分のパイプ洗浄剤成分で、手が荒れないようにする為です。




茹でてほじほじして、薬剤に浸けて溶かして・・・、それでもなおこれだけ不要な肉が取れました。
ほじらなくていいくらい薬剤に浸ければいいじゃんって思うかもですが、そこまでやったら骨までバラバラになって難易度高い組み立てパズル状態になります。





上の骨見ても、肉はかなり取れてるのになんだか小汚いというか血やらなにやら染み込んでるせいか、「骨らしい白」とは程遠いですよね。
お次はこれを過酸化水素水で漂白して、白い骨になってもらいましょう。
パイプ洗浄剤浸けの時はお留守番させていた眼球の強膜輪も一緒に浸けます。
え~、眼球部の処理方法の写真撮ってないので、後々登場してくる際にあわせて書きます。


この工程で、漂白だけでなく脱脂も出来るので、後々の変色を抑える効果も狙えます。
脱脂ってどういう事?と思う人も多いでしょう。
骨の中には骨髄だの神経だの何だかんだ詰まっていたりで、意外と脂ギッシュな代物なのです。
唐揚げだと油で揚げてるからじゃねぇの?となるので、焼きや煮込み系料理の骨(別に鶏でなくてもOK)が出ることがあったら、肉取って洗って放置してみるとよく分かります。
表面に油粒が浮かんできたり、さらに日数が経つと油や骨髄などの成分で茶色に変色してきます。
え?緑になった?それはカビですなw

では、1時間ほどポッチャン。

容器のフタに4倍希釈と書かれていますが、ここで使われている過酸化水素水は実験用とかのめっちゃ濃い(35%濃度の買うのにハンコが必要とかな劇物扱いな代物)ものを4倍希釈してなお8.75%とかある濃ゆ~い液体です。

ご家庭でやる場合、消毒液として売られているオキシドールを使う事になります。
こちらはだいたい3~4%濃度なので、薄めずそのままで、また時間も様子を見ながら何時間もじっくり浸ける必要があります。
じっとチェックなんかしてられないという場合は、一晩浸けておくのもアリかと(専門家から見たらアウトかもしれないけど、素人目にはオキシドールによる骨の傷みだのなんだのは分からない程度です)。





さて、またここで待ち時間が発生したので休憩タイムです。

今回はこの休憩時間を使って、希望者はホネホネな裏方にご案内~というプチバックヤードツアーをやってくださいました。





またここでいったん区切り。
次はそのプチバックヤードツアーのお話しから。




今回の4分割記事の一つ目はコチラ
閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

2015年10月11日日曜日

閲覧注意度【中】 室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」体験報告 1/4

番茶とルイボスティ合わせて少しミルク突っ込んだ謎茶がマイブーブな・冷蔵庫の主・ですこんばんは。
前回に続き、また博物館がらみのネタです。
長いから2~3回に記事を分ける予定。



以前から参加したくてウズウズしてたけど、いつも人気高くて抽選になってしまうとの事なので諦めていたホネ標本作成の、いわゆるワークショップというヤツに行ってきました(*'▽')



場所は大阪市立自然史博物館。
イベント名は 、
 ↓  ↓
室内実習「ホネ標本の作りかた(大人向け)」

普段のイベントで希望者多数になった場合は、子供優先で~って事が多いのですよ。
でも、この大人向けってやつの時は鶏頭を使った標本作りをするので、少し難易度が高い事もあって、大人向け(かつ大人優先)となっておる模様。
ちなみに、普通の子供優先のホネ標本の時は、鶏の手羽先からホネ標本を作ってるみたい。


そんなんって何時やってんの?どうやって調べるの?という方もいはるやろね。

大阪市立自然史博物館の場合は http://www.mus-nh.city.osaka.jp/index.html の公式サイトに飛んで、ページ上の方にある〔→イベント〕のトコをクリックすると、当月から二か月先までのイベントカレンダーが見れるようになってまふ。

どこかわからんっちゅー方はこちらから→ https://www3.mus-nh.city.osaka.jp/scripts/event.exe

今回行ってきたやつは9月に行われたので、今はイベントカレンダーでは見れません。
なので、連絡用メールに書かれてた内容貼っておきます。


●日時:2015年9月23日(水・祝)午前10時~午後4時
●場所:大阪市立自然史博物館 実習室
(博物館南側の事務所入口からお入り下さい)
●持ち物:筆記用具、昼食、エプロン(又は白衣など)、まち針又は標本針(30
本程度)、20cm×20cm程度の発泡スチロールの板(又は、大きめの食品トレイな
ど)、作ったホネを持って帰る容器(持ってきた板やトレイが入る厚みのある
箱)、タオル、台所用の使い捨ての薄手の手袋。
●参加費:500円
●内容:ニワトリの頭骨の骨格標本を作ります。材料は食材として売っている物
です。皮を剥いて、目玉や脳を除去し、肉を除去して、漂白して仕上げます。




というわけで、回想開始・・・の前に~~~

↑の一文にある (博物館南側の事務所入口からお入り下さい) について補足。
これは他の大阪市立自然史博物館でのワークショップや、「なにわホネホネ団」への見学希望等の方なんかも同じ入口から入るよう指示されます。
情報センターや博物館からは(基本的には)入れないのでご注意を。

↓画像はGoogleマップさんより流用

マップ左側にあるJR・地下鉄で来られた方は、大きな交差点から公園に入り、T字になってるとこを右に進んでいきましょう(紫破線)。
グレーの●の辺りで「←博物館植物園はこちら」的な看板があり、左側の道に誘導されると思いますが、左には行かず、今の大きい道にそってもう少し進みましょう。
なんかこれ一般は入っちゃダメっぽいかな?って感じの入れそうなトコが見えてきますが、一つ目は入っちゃダメなトコです。
二つ目にある、右側車道の向こう側に食べ物屋の「すき屋」の看板が見える入口が正解への道(赤破線)
建物に入ってすぐ左に守衛室があるので、「○○に来ました」と告げるとカラーシール(使用される部屋等によって色分けされて、見分けられるようにしています)を渡されるので、胸元等の見えるところに貼ってから目的の部屋へ進みましょう(大抵の場合、建物に入ってすぐ見える場所のホワイトボードに誘導が書かれています)。

それ以外で博物館にご用の方で、特別展だけ観たい・無料で入れる情報センターにだけ用があるという方はオレンジの破線のルートを、有料の植物園や博物館本館に行きたい方はピンク破線のルートを通ってください。
情報センターに入った後でも博物館本館等有料エリアへのチケットは買えます。


↓画像はGoogleマップさんより流用

もいっちょ空撮版ぺったん。











それでは回想開始(*'ω'*)





改めまして、この日の内容は、「鶏の頭の骨格標本」の作成です。
作業手順や作成時の注意点等が書かれた用紙がもらえます。
初心者にはいくら細かく書かれていてもこれだけではちょっと~と心配になるかもしれませんが、作業する各テーブルごとに補助スタッフさんが付いてくれるので、すぐアドバイス貰えるようになってました。





タイムスケジュールはこんな感じ。
割と一日仕事です。





特大模型や、完成した実物鶏頭骨格標本などを使って、注意するポイントや、こんな形をしているんだという説明を受けます。
青シャツのお姉さんは、大阪自然史センターのスタッフであり、なにわホネホネ団の団長でもあられるニシザワマキコさん。
バンダナのお兄さんは、なにわホネホネ団の団員さんで今日の補助スタッフの御一人。
手に持ってる巨大模型を作られたのもこのお兄さん。




それではドン。
こちらが今回用意された道具と鶏頭です。
今回使用する鶏頭は「名古屋コーチン」の頭です。
鶏頭というものはあまり店頭には無いにせよ、探せば食用として売られてたりします。
大型犬を飼ってる皆さんなら、鶏頭水煮缶として加工された物なら見たことあるのんじゃないかな?
なお、鶏頭水煮缶を使っての標本作成は出来ません
あれは骨まで柔らかくなるほど加熱してますから、作業中にボロボロになってしまうと思われます。


そうそう、今回名古屋コーチンの鶏頭を使用してますが、これには訳があります。
一般的なブロイラーは40~50日ほどの飼育期間を経て、ある程度大きくなったらすぐ食用に加工されてしまいます。
この段階では、高栄養飼料により体は早く大きくなったもののまだ骨が発達しきっておらず、骨がもろかったり結合部が緩かったりして破損やすい為に、素人が標本作成するのには向いていないのです。
一方、名古屋コーチンをはじめ、「地鶏」と銘打って売られている鶏は、その地鶏としての定義の中に「80日以上の飼育」が定められているので、肉もそうだけど骨もしっかり成長しているので、その分失敗が少ないのです。




手と並べて大きさを見てみましょう。
え?素手で触っていいのかって?
もちろんです、これは食用として売られているものですから、安心安全です。
でもまぁ、生肉触りまくったそのままの手をぺろぺろしちゃうのとかはダメでしょうがw


ではでは、まずは標本には不要な皮を剥ぎ、目や舌骨と呼ばれる舌とそこから繋がってるパーツを取り出しましょう。



キッチンバサミでチョキチョキ。
トサカの下にあたる部分が思いのほかがっつりくっついていて剥がしにくいですが、あせらず少しづつ切り進めていきましょう。


左上に見える松の葉のような形のものが舌骨です。
舌の中と、舌の付け根から伸びてアゴ添いに耳の後ろまでくるりんと添うように付いています。
首を落とす処理の段階で先の方が切られてしまってる場合もあります。

さすがに文字だけではわかりにくいので、資料用画像お借りしてきましたのでぺったん。


全部資料借りてうpればいいじゃんとか言われたら僕の存在意義やらが揺らぐので、聞こえなかった事にします(*'ω'*)

眼球は、マンガのようにポンっと外れるようなモノでは無いですw
眼球と頭骨との隙間を、小さいハサミやピンセットなどで切ったり剥がしたりしつつ、最後の難関頭骨内部に繋がっている視神経を切り離すか引っこ抜きます。
眼球の中には強膜輪というドーナツ型◎の骨があるので、それもあとで取り出します。
眼球を取り出す時によく眼球を傷つけてしまって焦る方がいますが、強膜輪があるのは眼球の前面部、ほじほじする際に傷つけてしまう恐れのあるのは後面なので、前面さえ気を付けていればなんとかなります。




皮・目・舌骨を外し、取れそうな肉っ気があればそれもチョキチョキほじほじ。
ここではまだ無理して綺麗に肉を取ろうとしなくても大丈夫、というか、無理すると細くもろい骨もチョッキンしちゃう危険の方が高いので注意。
あらかた取れたら、後頭部の首に繋がってた穴から脳みそを掻き出しましょう。
水を流しながら、一部ホネホネ業界で「脳ブラシ(世間一般では歯間ブラシとして薬局等で売られている)」と呼ばれているモノでホジホジグリグリして、頭を空っぽにしてやりましょう。


そこまでできたら、今度はお鍋攻撃です。
これは、肉を加熱する事により、除肉作業をやり易くする為です。
さらに鍋の湯には、豆の下ごしらえにつまみ入れる・・・どころじゃない量の重曹も入っており、さらに肉を柔らかくし除肉しやすいようにとなっています。
グラグラ煮込むのではなく、軽く火が通る程度でOK。

ちなみに、肉は加熱後がんがんほじくっていけるけど、脳みそを加熱するとカチカチになってしまい小さな穴からでは取り出しにくくなってしまうので、脳みそ掃除はしっかりめにやっておきましょう。






なんか全然書き進まないからいったんここで区切って公開。
続きはそのうち。